どこのレストランでも気軽に食べることができ、しかもご家庭の食卓にも並ぶカレーは、もはや日本において立派な国民食となっています。では、この人気料理はどのように世界に伝わったのでしょうか。こちらでは、カレーのルーツを探っていきます。
カレーの本場と聞くと、インドを連想する方がほとんどだと思われます。確かに今日、カレーとして伝わっている料理の発祥の地はインドです。しかし、インドにはカレーという食べ物は存在しません。
私達がカレーと呼んでいる物は、インドでは「香辛料やハーブを使った汁状の料理」を表す単語にしか過ぎないのです。それが伝わって現在のカレーができたといわれています。
1595年にオランダのリンスホーテンが発表した「東方案内記」では、すでにインド人が食べていた「カリール」という米に汁をかけた料理に関する記載があり、また、1681年にイギリスのノックスが発表した「セイロン史」では、スパイスをふんだんに使った汁状の料理、カリーズのことが記されています。
現在のカレーは、インドで生まれたカレーに様々な工夫が施されたものといえます。
カレーはインドで生まれた料理です。しかし、私達が普段使っているカレー粉というものはインドには存在しません。
現在、カレー粉と呼ばれているものはイギリスで作られたものなのです。カレーがイギリスに伝わった時点で、かなりの人気料理でしたが、作るたびにスパイスの調合をしなければならなかったため、カレーパウダーが発明されました。それを18世紀に初代ベンガル総督が持ち帰り、クロス・アンド・ブラックウェル社(C&B社)が商品化することになったのです。それがカレー粉の始まりです。
そして、いつしか小麦粉が加えられ、現在のようなとろみのあるカレーが誕生することになったのです。
カレー発祥の地、インドではカレーという料理はありません。では、どのようにカレーという名前が付いたのでしょうか。
現在、詳しい由来は解明しておらず、多くの説が溢れています。以下にこれまでの諸説をまとめました。
カレーの名前の由来